所有欲は、物だけに限らず、
人に対しても当てはまるでしょう。
本来なら、日常生活していくのに必要な分だけあればいいはずですが、
過剰に物を溜め込んだり、新しいものが出るたびに購入してしまうというのは、
欲が刺激されている状態です。
『ごみ屋敷問題』が、時々話題になりますが、
性格?生活環境?何が原因でしょうか?
所有欲が過剰になって、
自分の手に負えなくなってしまうと、
『ごみ屋敷化』するリスクはあるでしょう。
この問題は、けっして他人事ではなく、
ちょっとしたことがきっかけとなって起こる、
身近な問題なのかもしれません。
『ゴミ屋敷』から見えてくるもの
『ゴミ屋敷』の実態
ごみ等が屋内や屋外に積まれる事により、
悪臭や害虫の発生、崩落や火災等の危険が生じるリスクのある家のこと。
環境省が行った、全国 1,741 市区町村を対象にした調査によると、
平成30年度から令和4年度までの過去5年間で認知されたゴミ屋敷は全国で5,200件余り。
各市区町村で『ごみ屋敷の認知が出来ているか?』の質問に対し、
- 認知している・・・38%
- 認知していない・・・62%
認知方法として最も多かったのは、
一般市民からの通報で、
当事者からの相談は、
10%未満でした。
当事者からの、相談件数が極端に少ない背景には、
『現状把握が出来ていない』
『第三者に実態を知られたくない』
『相談するところがわからない』
などということがあるかもしれません。
ごみ屋敷というと、高齢者に多い印象がありますが、
今では、年代問わず、単身者から家庭の主婦まで様々な方が問題を抱えています。
また、『ごみを片付けられない』という
簡単な理由だけではないようです。
ごみ屋敷となる原因
- 余計な物まで買い過ぎる
- 収集癖がある
- 所有することへの安心感
- 『もったいない精神』『いつか利用出来る』という理由で捨てられない
- 片づけをする時間がない
- 片付けようとする意欲が湧かない
- 夜勤が多い仕事などで、
昼夜逆転の生活をしている - ごみ屋敷状態になっていると、
氣づいていない - 認知症やうつ病などの
精神的疾患を抱えている
『ごみは、宝の山だ』という持論があったり、
ごみ屋敷の状態を指摘したり、片付けようとすると怒り出す人もいます。
原因が一つとは限らず、
複数絡んでいることがあるかもしれません。
また、『過剰な所有欲』は、物への執着だけが問題ではなく、
その裏には、心の問題が隠されている場合があるでしょう。
所有欲
生活するのに最低限必要な物を所有することは、大切であり、本能的なことですが、
過剰になると、自分自身を苦しめる結果になるでしょう。
物への執着
物への愛着と執着では意味が異なります。
物に対して思い入れがある、いとおしい、慈しみの氣持ちがあり、
一つの物や特定の物を長く大切に扱うこと。
自分の欲望を満たすためであり、
物に対して囚われている状態。
一方は、他を思いやれる心であり、
もう一方は、自己中心的な思いです。
所有欲が強過ぎると、執着になってしまいます。
物も人もすべてがエネルギー
人間を始めとして、地球に存在する形あるものや、
空気・言葉など目に見えないもののすべてがエネルギーです。
エネルギーには、『良いエネルギー』と
『悪いエネルギー』があります。
ごみの他、長年使用されていない物、雑に扱われている物などは、
けっして『良いエネルギー』とは言えないでしょう。
『悪いエネルギー』の物で埋め尽くされた空間は、悪い氣が充満している状態であるため、
その場で生活してる人にも、
悪影響を及ぼしてしまいます。
- 何をやってもうまくいかない
- やる氣が起きない
- 体調がすぐれない
ごみが増えるごとに、自分の内にもごみを溜めていくということになります。
物がたくさんあると、『良いエネルギー』と
『悪いエネルギー』が入り乱れるため、
『断捨離』の必要性があります。
愛着があり良い物だけしかないような
『ミニマリスト』的な空間の方が、
エネルギーが良いかもしれません。
所有欲の裏に隠された心の問題
過剰な購買欲は、『ただ、物が欲しかったから』だけではなく、
その裏には、本音が隠されている場合が多いでしょう。
- ストレス発散
- 人よりも多く物を所有することで
感じられる優越感 - 不安や恐れ
買い物をしたら、
なんかスッキリしたわ~!
これは、単なる妄想であり、買い物しただけでは、溜まったストレスは解消されず、
『買い物依存症』になる可能性もあるでしょう。
また、『優越感』は、
「他人から認められたい」「自分を価値ある存在として認めたい」という『承認欲求』だったり、
自分の存在をアピールする『自己顕示欲』の顕われでもあります。
普段から、何かあった場合に、
困らないよう準備しておけば、安心だから・・・。
災害などの緊急事態に備えて備蓄している方は多いと思いますが、
『安心感』の裏には『不安や恐れ』が隠されています。
所有欲を植え付けられている
生活レベルを下げながらやりくりしている人も多いとは思いますが、
テレビや雑誌では、「これ買って、あれ買って」と、
お金を使わせるような宣伝ばかりをよく目にします。
有名タレントや著名人を起用して、
繰り返し放送することは、一種の洗脳でしょう。
『流行』『トレンド』『ブーム』などは、
利権が絡んでおり、
裏で仕掛けている人が必ず
存在しています。
「いつ災害が起きてもいいように、備蓄しておくことをお勧めします」という専門家の意見は、
物を購入させることと同時に、『不安や恐怖』を刷り込んでいるとも言えるでしょう。
自分と向き合うことが一番の解決法
身内、知人、行政が手伝って、ごみ屋敷をきれいにしたとしても、
当事者にとっては一時的な事かもしれません。
屋敷のごみとともに、当事者自身のごみも掃除しなければ、
いつの間にかまた、ごみが増えてしまったという事にもなりかねません。
その原因を、自分の内側から、
徹底的に探り出すことが必要でしょう。
もしも、欲を駆り立てられたら、
「自分にとって、本当に必要な物なのだろうか?」と自問自答してみるといいですよ。
根本的な問題が解決出来なければ、
いつまで経っても、同じことの繰り返しになってしまいます。
自分一人では無理な状態であれば、
第三者の手を借りるのも、良いかもしれません。
執着している思考や感情があれば、物と一緒に手放していくようにすると良いでしょう!
ここまで、
ありがとうございました!