食卓から魚が消える日!?

『秋の味覚』の代表と言えば、【サンマ】!

ふっくらとした焼きたてのサンマに、大根おろしの組み合わせは最高ですね♪

しかし、サンマは年々細くなり、漁獲量が少ないため値段も上がっており、
一度も口にすることなく終わってしまったという方も多いのではないでしょうか?

漁獲量が減っているのは、サンマに限りません。

今年の秋は全国のあちこちで「熊の被害」が拡大しています。

この時期は、冬眠に備えて栄養を貯える期間ですが、
今年は、猛暑の影響でどんぐりなどの木の実が不足している上、サケが遡上してきません。

知床では、熊の食糧であるカラフトマスの不漁が続き、
今年はほとんど皆無に近い状態で、
過去最低だということです。

そのため、がりがりにやせ細ったヒグマも
目撃されています。

脂肪が蓄えられず冬眠に入れない熊は、
氣性が荒くなっている為、
人里に降りて来て、
田畑を荒らし人を襲っているというわけです。

魚が取れない状況は、すでに人間以外にも影響が出ています。

今、漁業界では何が起こっているのでしょうか?

目次

サンマ漁は深刻、禁漁も必要な事態!?

サンマ漁の現状

あらゆる魚種の漁獲量が減少していますが、
その中でも特に、『秋の味覚』として食卓の定番である『サンマ』が凶漁です。

【サンマの漁獲量】

  • 2008年『343,225トン』
  • 2022年『17,910トン』
    過去最低漁獲量を更新

今年2023年、
8~10月の全国のサンマ水揚げ量は、
昨年同期比の約40%増でしたが、
厳しい状況であるのは変わりないという事です。

しかも、水揚げされたサンマは、
『細身で小ぶり、脂ののりもイマイチ』
なものが多く、
明らかに数年前とは状況が変化していることが
おわかりになるでしょう。

ちなみに、サンマが豊漁だった時代の『細身で小ぶりなサンマ』は、
餌料向けなどに
利用されていました。

9月の平均価格は、1キロ当たり533円で、
不漁が続いている5年間で比較すると最安値。

しかし、豊漁だった2008年に比べると、8倍以上の高値で取引されており、
依然として深刻な不漁であることがわかります。

水揚げされた魚の優先順位

  • 最も価格の高い『鮮魚用』
  • 『冷凍用』
    『加工品』
    『飼料』など

鮮魚が少ない年は、前年の秋に冷凍されたものを『解凍サンマ』として出回りますが、
品質が下がるため『本当においしいサンマ』か
どうかは疑問かもしれません。

また、干物や缶づめなどの加工品の原料も不足するため、業界にも痛手となるでしょう。

中国や台湾の影響?

「日本の排他的経済水域(EEZ)に回遊する前に、
台湾や中国の漁船が公海でサンマを
獲ってしまう」

報道番組でよく聞くコメントでは
ないでしょうか?

しかし現在、日本のサンマ漁場は、9割以上日本のEEZ外の公海で、
狭い漁場で各国入り乱れて操業している状況です。

台湾や中国の漁船と日本の漁船の違い

  • 洋上で冷凍する設備
  • 強力な集魚灯
  • 大型船

日本の漁船は不利ですね。

『乱獲を止める』厳格な国別漁獲枠の
設定が必要

サンマの漁場は、「日本とロシアのEEZ内」「公海」共にサンマの来遊漁が極端に少なく、
資源量の激減という状態。

資源管理を話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC)では、
過剰漁獲を防ぐために、国別の漁獲枠が設定されます。

【2023・2024年の漁業枠】
  • EEZ内・・・100,000トン
  • 公海・・・21,087トン

    ※漁獲枠は2018年実績の45%

「EEZ内」「公海」どちらも従来の漁獲枠から削減されています。

【2020年・2021年実績】

スクロールできます
EEZ内公海
2020年12,13217,43029,562
2021年1,03017,37818,408
単位:トン 水産庁資料参考
EEZ内公海
2020年12,13217,43029,562
2021年1,03017,37818,408
単位:トン 水産庁資料参考

2020年・2021年の実績をもとに比較してみると、
「公海」の漁業枠に関しては、大きな差はありません。

EEZ(排他的経済水域)内は、漁獲量が特に減少しているにもかかわらず、
実績より数倍の枠が設けられています。

現在、サンマの漁場のほとんどは、『公海』が中心になっているとの事。

この『獲り切れない巨大な漁獲枠の設定』に警鐘を鳴らしている人物がいます。

参考資料:【魚が消えていく本当の理由】 AYUMU KATANO

片野氏:「サンマ資源を守るために、漁獲量を抑制することが目的であるが、
全く規制になっていない」

ちなみに、日本より漁獲量が多い他の国を『公海』で見てみると、

スクロールできます
2021年2022年2023~2024年漁獲枠
中国33,51135,47740,664
台湾34,04340,94081,210
単位:トン
2021年2022年2023~2024年漁獲枠
中国33,51135,47740,664
台湾34,04340,94081,210
単位:トン

両国共、実績より上回っていて、枠までは漁獲出来るため、
現状は資源管理になっておらず、従来通りの『獲り放題』というわけです。

日本よりも後にサンマ漁に参入してきた両国は、
漁船に投資した分を回収するため、漁獲量を増やそうと躍起になっているようです。

漁獲量を増やすために、完全に成長する前のサンマまで乱獲してしまえば、
ますます悪循環に陥ってしまうでしょう。

海水温の上昇

一概に海水温の上昇漁獲量の減少と紐付けされがちですが、
インドネシアやインドなど暖かい海での漁業は順調のようです。

しかし、海水温の上昇は、魚の来遊時期が早まったり、
獲れなかった魚が獲れたりと様々な変化が起きている為、
柔軟に対応することが求められているのかもしれません。

海水温の上昇との関連性は判明していませんが、
魚のエサとなるプランクトンが減少して、
海の栄養分が不足していることも資源量減少の
一要因との事。

漁獲量の減少に歯止めをかけるために急務なこと

マダラ漁やスケトウダラ漁は、各国が競って乱獲を行ったために、
資源が枯渇してしまい、現在も禁漁が続いています。

破壊された資源を回復するには、長い期間が必要であるという事でしょう。

様々の魚種の漁獲量が悪化している中、
『海の豊かさを守ろう』に基づく日本の評価は、『過剰漁獲』『資源崩壊』と悪化。

資源の減少は、小さな魚まで乱獲する『成長乱獲』が原因。

今が、世界からの警告を深刻に受け止めて、行動するぎりぎりのタイミングだ。

国が科学的根拠に基づいた、水産資源管理のための制度を作ることが、
重要課題である。

片野氏

いつまでもおいしく魚を食べるためには、正しい情報を知り、
「大切な海の資源を守るにはどうしたら良いのか?」
を真剣に考えなくてはならないのかもしれません。

みやび

ここまでお読みいただき、
ありがとうございました!



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この記事を書いた人

子供の頃からの不思議体験!目に見えない世界を探求してきた結果、真実を知り魂を成長させていく事がとても大切であると実感しました。
自分に出来る事をやろう!と熱い想いで、情報発信のブログを始めました。

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