中国南部の深センで9月18日、日本人学校に通う10歳の男子児童が保護者と一緒に
登校中に、刃物を持った男に襲われ
死亡した。
容疑者は前科がある無職の男性。
被害者は父親が日本人、母親が中国人の
日本国籍の男児。
治療に当たった医師は「全力で治療を続けたが、損傷があまりにもひどく亡くなった」と
話している。
市政府は20日、地元警察の捜査の結果「偶発的な事件」だったと発表した。
日本人を狙った事件ではないと示唆する
ことで、早急な幕引きを図る狙いがある。
この事件に対しては、哀悼の意を表します。
中国では6月に、江蘇省で日本人学校のスクールバスが、刃物を持った男に襲われ、日本人の親子が
けがをし、阻止しようとした中国人女性が死亡する事件が起きています。
日本国民の中には、深い悲しみと共に憤りを
感じている人も少なくないでしょう。
ネット上では、日本政府に対して厳しい態度を
求める声が多く寄せられています。
罪のない子供が犠牲になってしまったことは
とても残念です。
しかし、『反中感情』になり怒りをぶつけるような行動に対しては、冷静さと俯瞰的視点が
必要かもしれません。
中国の現状|バブル崩壊による失業率の増加
中国は、長引く不動産不況の影響で深刻な打撃を受けており、経済が長期的に低迷しています。
1990年代前半に、不動産バブルが崩壊した日本を上回る状況だと言われています。
また、新卒者の就職は氷河期で、若者の失業率も深刻な状態。
台湾の中華経済研究員は、
「隠れている失業者数が多く想像以上に深刻な問題」と述べています。
6月に起きた事件と今回の事件の加害者は、
二人とも無職の男性でした。
深セン市では路上生活者が増加
今回の事件が起きた深セン市は、中国のシリコンバレーと言われている近代都市。
しかし最近では、路上生活者の急増が問題に
なっており、中には子供の姿もあります。
その多くは地方都市から仕事を求めてやって来た若者です。
【深セン市駅前広場にいる
大量の路上生活者】
深セン市では若者が働こうとしても面接まで辿り着けず、何カ月も職探しをしても
就職できないという状況になっている。
「世界の工場」と呼ばれた大工業地帯ですら、若者の職がなく住む場所もない。
中国では何か問題が起きると、ネット投稿や報道を削除したり罰する事で情報を
遮断する。
中国政府はホームレスなど居ないという立場をとっている為、路上生活者への公的な支援はなく、追い払うだけ。
最悪な場合、逮捕して収容所に入れ
「居なかった」ことにする。
【世界のニュース トトメス5世】より
引用
中国にも路上生活者を支援する団体はありますが、政府が認知しておらず、全体まで行き届いて
いません。
また経済が失速する中、市民社会はこれまで以上に緊密な監視下に置かれています。
政府に対して不満をぶつけることが出来ない国民の怒りは、アメリカや日本に向けられている
という話もあります。
柳条湖事件と関連付ける理由
男児が襲われたのは9月18日は、『柳条湖事件』が発生した日。
昭和6年(1931)、柳条湖で日本の関東軍が南満州鉄道の線路を爆破した事件
中国では「国恥日」とされ、「918を忘れるな」といったスローガンが政府主導でニュースや
ネット上に数多く流れます。
そのため、事件の容疑者は『あえてこの日を選んだのではないか?』という憶測が出ています。
中国では長い間『反日教育』が行われていたため、日本に対して良い印象を持っていない人が
多いかもしれません。
しかし、『9月18日なら日本人を襲ってもいいのだと妄想した人間』と結論付けるのは
いかがなものでしょうか?
日本国民の反応
SNS上には、『歪んだ愛国心は国を亡ぼす』
『心から謝罪する』など多数の謝罪や追悼が
寄せられています。
しかしその一方で、『原因は日本にある』というような歪んだコメントも見受けられます。
この事件では、中国当局が厳しい情報統制を敷いており、SNSの投稿も次々と削除されています。
そのため国内では、事件自体を知らない中国人も多いようです。
事件後、現場には中国人から多くの花が
手向けられました。
献花、謝罪のコメント、
日本産水産物の禁輸解除に対しての日本人の反応
- 腹が立つ
- 事態を早急に終わらせようとしている
- 注意喚起のみの日本政府に対して厳しい対応を求める
という意見も多く、なかには報復を呼びかける
ものもあります。
不安定な世情|台湾有事と日本
台湾有事とは
中国政府は、台湾はもともと中国の領土だと
長年主張してきました。
習近平国家主席は2013年に、「自分の在籍中に
必ず台湾を統一する」と国際会議で意欲を
示しています。
2022年に、「武力行使を放棄せずあらゆる
必要な措置をとる」と発言。
今年1月に行われた台湾総統選挙では、
中国が『台湾独立勢力』と非難する民進党が
勝利しました。
そのため、今後の中国の動向に注目が
集まっています。
中国が台湾に対して武力行使をおこなえば、
必ずアメリカが介入してくるでしょう。
軍事力を拡大している中国でも、現段階では
アメリカに対抗できないと見られています。
誰が次期アメリカ大統領になるかという事も
関係してくるかもしれません。
台湾有事が2025年に起こると予測して準備を急ぐよう指示していたことが発覚
石垣や宮古島などの住民12万人の
避難計画
政府は台湾有事などを念頭に、石垣や
宮古島など先島諸島の住民らの避難先案を
明らかにした。
空路により九州と山口の計8県へ避難。
国は8県に対し、約1カ月間の「初期計画」を来年2月までに策定するよう
求めている。
石垣島では、2023年3月に自衛隊の駐屯地が開設。
島民の間には「疎開を必要とする事態とは一体
何なのか?」という懸念の声も上がっています。
冷静さと俯瞰的視点で情報を受け取る
ことが大切
長い間の反日教育やナショナリズムは、日本や
日本人に対しての認識を歪ませました。
中国政府が、社会に対する国民の不満や怒りの矛先を、アメリカや日本に向けさせてきたことは
間違いないでしょう。
中国も日本も、真実を知らされず、
いいように支配されてきたのは
一般国民だけ。
互いの国民はそれぞれの国の被害者
なのです。
だからと言って、人に危害を加えていいという
話ではありません。
反日と言われる中国人または日本人の中にも、白・黒・グレーがおり、善人の仮面を被った
悪もいます。
SNS上でも、感情を逆なでしたり、怒りの方向に誘導するようなコメントをわざと拡散している
ケースもあります。
- 表面的な出来事や印象的な言葉に
影響される - 物事の本質を見ず反応的に結論を
導きだす
このような対応には注意が必要でしょう。
日本人は『忘れっぽい』『和を大切にし過ぎ』と言われたりしますが、それでいいのでは
ないでしょうか?
怒りを仕返しという形で返しても益々こじれる
だけであり、結果的に中国と同じことをしている
に過ぎません。
現在、世界全体が不安定な状況にあり、突発的な出来事がきっかけとなって、最悪な事態に
発展する可能性も秘めています。
新しい時代は『調和が大切』であるため、
日本人が本来持っていた「和」の精神
こそが
最も重要だと言えるでしょう!
ここまでお読みいただき、
ありがとうございました!