外国人技能実習制度の実態と実習生の失踪に迫る!

先日、大規模な農家へ手伝いに行った所、インドネシアから来た実習生が4人働いていました。

すべて女性で、内2人は祖国に子供を残してきたシングルマザーで、
子どもの教育資金を稼ぐために日本にやって来ました。

雇用期間は2年で「子どもに会えないのがさみしい」と言っていましたが、
農場主との関係は良好で、労働環境は悪くないように感じました。

しかし、これはごく一部であり、
今『外国人技能実習生の失踪』が大変問題になっています。

技能実習生

想像していたことと現実が
違っていました。

『外国人技能実習生』の実態を調査してみたいと思います。

目次

『外国人技能実習生』の実態

外国人技能実習制度とは

【外国人技能実習制度】

外国人が働きながら日本の技術を学ぶ
という制度。

発展途上国の人材を育成し国際貢献をするのが目的で、1993年に創立。

しかし実態は、人手不足に悩む企業の人材確保の手段になっているようです。

日本の雇用現状

日本では年々、少子高齢化が進んでおり、
2025年には、一番人口が多いと言われている団塊世代が『超高齢者』の仲間入りとなるため、
『超高齢化社会』が到来します。

農業や酪農、製造業や一部の産業では、担い手や働き手不足が深刻な問題となっています。

そのために、外国人実習生は貴重な労働力ということかもしれません。

2022年12月の時点で、技能実習生として来日している外国人は約32万人。

その内、9006人が2022年中に失踪しており、
2018年の9052人に次いで過去2番目に多さとなりました。

9006人中、6000人以上がベトナム人。

以前は、中国人実習生が多く来日していましたが、
中国国内の経済発展や円安の影響により年々減少し、
2019年頃からは、ベトナム人実習生が一番多くなりました。

彼らは貧しい農村出身者が多く、さまざま夢や希望を持って日本にやって来ます。

【日本に来る目的】
  • 日本の技術や技能を習得したい
  • 日本は職場環境や賃金が良いと聞いた
  • 家族を養うため

企業側が外国人技能実習生を受け入れる方法は、「企業単独型」「団体監理型」があって、
日本には2800以上の監理団体があります。

外国人技能実習制度の現状と問題点

外国人技能実習生の中で、最も多いのがベトナム人で、
失踪問題と同時に、ベトナム人による犯罪が増えています。

彼らが失踪してしまうほどの問題点とは何なのでしょうか?

外国人実習生の声

  • 「ベトナム人のお前らはバカ、こんな働きでは給料は払えない」と雇い主から言われた。
  • 150万の借金をしてベトナムから来日し、縫製工場で働いていた。

    朝6時から19時ごろまで毎日働いてきたが、3年間分の残業代の内、約200万円が未払い

    支援団体の協力で会社に直訴したが、残業代未払いのまま会社が倒産
  • 「ベトナム人のお前らはバカ、こんな働きでは給料は払えない」
    と雇い主から言われた。
  • 150万の借金をしてベトナムから来日し、
    縫製工場で働いていた。
    朝6時から19時ごろまで毎日働いてきたが、3年間分の残業代の内、約200万円が未払い
    支援団体の協力で会社に直訴したが、
    残業代未払いのまま会社が倒産
  • 一年前に来日して、酪農の仕事をしていたが、毎日のように社長夫婦に罵倒され、物を投げつけられたり脅された。
  • 洋服縫製技術を学ぶ為に来日したが、実際はタオルを作る毎日だった。

    監理団体から、「何を作っているのかと聞かれたら、子供服や婦人服と答えて下さい」
    と言われた。
  • 一年前に来日して、酪農の仕事をしていたが、
    毎日のように社長夫婦に罵倒され、
    物を投げつけられたり脅された。
  • 洋服縫製技術を学ぶ為に来日したが、
    実際はタオルを作る毎日だった。
    監理団体から
    「何を作っているのかと聞かれたら、子供服や婦人服と答えて下さい」
    と言われた。

『管理団体』は非営利ですが、実習生を紹介した企業から毎月『管理費』を受け取っています。

『管理団体』の役割
  • 実習計画に沿って実習が行われているか
  • 最低賃金を下回っていないか
  • 技能実習日誌はきちんと作成
    されているか
  • 雇用条件に従った賃金の支給および各種控除がなされているか
  • 社会保険に加入しているか
  • 技能実習生間で、労働時間、賃金等に不当な格差がないか
  • 安全教育はしっかりと実施されたか
  • 特別教育は実施されているか
  • 関連周辺作業の割合に問題はないか
  • 申請した場所とは別の現場で実習
    していないか
  • 就業規則等を守っているか
  • 定期的に健康診断は実施しているか
  • 休日はきちんと取得できていて、連続勤務になっていないか
  • 有休は取得できているか
  • 法定労働時間を超える残業の場合は、労働基準監督署に届出がなされているか

実際は、「相談してもまともに相手にしてくれない」など、
適正な義務を果たしていない『監理団体』も多いようです。

雇用の問題点

  • 低賃金で重労働
  • 賃金の不払い
  • 劣悪な環境
  • 雇用主の不適切な扱い
  • 契約内容との不一致

技能実習生は、働く企業を変えたくても「転職」が原則認められていません。

そのために、避難・失踪という手段を取るしか方法がないと言われています。

負の連鎖

実習生は日本に来る際、渡航費や研修費として数十万から百万単位の借金を背負ってきます。

コロナ禍により雇止めや賃金不払いが横行し、さらに彼らを追い詰めました。

技能実習生を相手に闇金融を行っているベトナム人のもとに、
通帳やパスポートを担保として、お金を借りに来る実習生が増えたと言います。

闇金融の元締めは、日本の犯罪組織。

避難し失踪しているうちに滞在期間が過ぎて、「不法滞在」になった実習生は、
祖国に戻ることもできず地下にもぐっていきます。

また、失踪しても借金を返さなければならない為、
リスクを冒しても、悪い仕事で稼いで返済していく、という流れにもなっているようです。

このような事が、ベトナム人による犯罪が増えた要因になっているのかもしれません。

犯罪に手を染める前に、助けを求めればよいと思いますが、
日本語による意思疎通が難しいということも考えられるでしょう。

問題解決のための取り組み

2022年12月、政府は有識者会議を立ち上げ、技能実習制度の改革について議論を開始しました。

技能実習生の問題は、国際的にも「人権侵害である」と批判されています。

2023年5月の中間報告では、技能実習制度を
廃止。

「転籍制限の緩和」「監理団体の適正化」「悪質な仲介業者の排除」などを含めた、
新たな制度を設けることを求めています。

ベトナム人に対する批判

【ベトナム人による犯罪が増えている】というニュースだけを見て、
ベトナム人を恐れたり批判すべきではないでしょうか?。

『木を見て森を見ず』になってしまいます。

その背景にある『外国人技能実習生』の実態を知り、
彼らが置かれている立場を理解することがとても大切かもしれません。

彼らの存在が、人手不足に悩む日本企業を支えている事は、
日本人にとって有難い事ですよね。

「ベトナム人を奴隷化している」という声もありますが、
そもそも『資本主義経済』そのものが、人類を奴隷化しているシステムである
ということに氣付くことです。

『資本主義経済』による『貨幣制度』は、一部の者だけに富が集中する仕組みであり、
ほとんどの日本人も『労働奴隷』であるといってもいいかもしれません。

今の社会が個人間の格差を生み、国と国の格差を生んでいるという現実に、
もっと目を向けるべきでしょう。

一日でも早く、『外国人実習制度』が改善されるよう願います。

みやび

ここまでお読みいただき、
ありがとうございました!

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この記事を書いた人

子供の頃からの不思議体験!目に見えない世界を探求してきた結果、真実を知り魂を成長させていく事がとても大切であると実感しました。
自分に出来る事をやろう!と熱い想いで、情報発信のブログを始めました。

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